◆政治が生み出した「格差」
安倍首相の人気が急落しています。その原因の一つは、小泉首相が提唱してきた「構造改革」の後継者であったはずが、自民党内の抵抗にあって、造反議員復党問題や高速道路の延長工事を容認するなど、古い自民党に後戻りしているように見えるからでしょう。しかし、そもそも「改革、改革」と言い続けてきた小泉政権の5年間は私たち市民に何をもたらしたでしょうか?
例えば、雇用について見れば、この5年間で260万人の正規雇用が失われ、195万人の非正規雇用がそれに置き換わりました。社会には様々な歪みが現れ、格差社会が問題になってきました。
この格差社会は、すでに90年代から「規制緩和」の名のもとに自民党が推し進めてきた政策が生み出した歪みです。1995 年には、日経連(今の日本経団連)が「新時代の日本的経営」を公表し、雇用の大半を非正規職にするべきだと結論づけました。国の政策も派遣法の改正などを通して、非正規労働者を増やす方向に動きました。
小泉政権5年間の構造改革・規制緩和は、その仕上げとも言え、働く者の環境を劣悪な状態に陥らせました。
雇用全体に占める非正規就労者の比率は、この10年で17%から34%に倍増しました。その一方で企業には減税が行われ、大企業は人員カットで好景気にわいています。しかし、大企業がいくら潤っても、かつてのようにそれが社会に還流される仕組みはなくなってしまいました。
これでは一体何のための「改革」だったのでしょう?
多くの人々が、政治を「他人事」に考えがちです。でも、政治の決定は私たちの市民生活に大きく関わります。市民社会が政治的に成熟し、政治の裏側も読み、「自分たちで政治を形成する」という意識を持てるようにようになるまで、「市民の政治」のチャレンジは続きます。
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