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2011年4月14日 (木)

福島第一原発=最悪を考えた対策を

福島第一原発については、次々と新たな「最悪の状況」が明らかになっています。

しかし、発表される状況や数字がどのような意味を持つのかについては、素人である私たちがはっきり読み取ることは難しい状況にあります。そんな中で、京都大学原子炉実験所助教の小出裕章先生は、素人にもわかりやすい解説をしてくださっています。状況を理解し、状況に備えるためにも、ぜひ皆さんに以下のユーチューブのインタビューを見て頂きたいと思います。

http://www.youtube.com/watch?v=gS9hhwpZKLk

(取材にあたった「名前のない新聞」は私の仲間のグループで、以前私も連載をしていた市民メディアです)

 

尚、小出先生の知見をまとめたサイトが別途できています。最新の情報についてはこちらをご覧ください。
http://hiroakikoide.wordpress.com/

以下、インタビューの要旨を書き起こしました。非常に重要なメッセージがありますのでぜひお読みください。

【インタビュー要旨】

・原子炉が壊れているが、まだ破局には到っていない。破局に至らないように食い止める作業が続いている。

・原子炉はウランを核分裂させて、熱を取り出して電気を作る装置。ウランが燃えて出る熱を水に移して、その水を蒸気にしてタービンを回す構造になっている。ウランの核分裂が続いている限りとにかく水を回して熱を奪わなければ、原子炉が壊れてしまう。しかし、ウランの核分裂反応が起きていない時も冷やさないと壊れる機械。なぜかと言うと、ウランが核分裂するときに核分裂生成物(死の灰)が生まれますが、それは自分でどんどん発熱する性質を持っているから。

・福島の原子炉にも大量の核分裂生成物があり、熱が発生している。その熱を冷やしきれない限りは原子炉が溶ける。今回は津波もあってすべての電源を喪失したので原子炉が溶けてしまった。それに気がついた東京電力が消防のポンプ車で原子炉に水を入れる作業をはじめた。その結果、原子炉全体が溶けてしまう状況をかろうじて防いでいる。

■東電の言っている70%の損傷とは?

・燃料棒のパイプはジルコニウムという金属で出来ている。これは温度が850度以上になると周辺の水と反応して水素ができる。これは発熱反応であるため、反応がますます激しく進む。これが原子炉の中で起こり、大量の水素が出て爆発が起きた。

・燃料棒は原子炉圧力容器という厚さが16センチの鋼鉄製のお釜の中に入っている。そのお釜の一部がすでに壊れていてそこから水素が漏れている。その外は原子炉格納容器というもっと大きな器になっている。その容器は設計耐圧が4気圧しかないが、どんどん蒸気が出てきたため8気圧を超える状態になり、いつ壊れても不思議でないという段階になった時、東京電力は「もうしょうがない」と格納容器にたまった放射能に汚染された蒸気と水素を、ベントというバルブを開いて外に捨てる作業をした。その時の水素が爆発したのではないかと推測している。格納容器の上に蓋がついていて、ボルトで締めてあるが、設計耐圧の8気圧を超えたためにそこから漏れたという説もある。

・東京電力が燃料棒の70%が破損しているというのは、燃料棒の被覆管(ジルコニウム)が水と反応して溶けてしまったことを示している。その内容物のウランのペレッ ト(瀬戸物)はバラバラになって落ちているはず。その一部が溶けていると思う。それは、発電所の敷地内でプルトニウムが検出されていることから推察される。

・もしペレット全体が溶けてしまうと、私が危惧している最悪のシナリオに向かう。水蒸気爆発で圧力容器と格納容器が壊れるという事態。それは防がないといけないが、危険は残っている。そうならないと断言できない。可能性があることには対処しないといけない。

・政府は常に楽観的な情報だけを流して「安心しろ」と言ってきたが、私は防災を考えればそれはまったくダメで、悪い方を考えて対策をとるのが本当の防災のやり方だと思う。

・私が危惧している最悪の事態が起こると、チェルノブイリと同じあるいは上回る規模の事故になる。ソ連政府は事故直後、周辺30kmの住民13万5千人を強制避難させた。が、その後 200から300km離れたエリアに濃密な汚染地帯が見つかった。それは事故の後で雨が降った地域。それに気がついて、 ソ連政府はその地域からも20何万人もの人たちを強制移住させた。さすがにソ連という巨大な国でもその重さに耐えきれずにソ連という国がなくなってしまった。

・その周りにも汚染地帯があって、日本の今の法律に従えば、原子力発電所から700キロ離れた彼方まで、風下になってしまったところは放射線の管理区域に指定しなければならない放射線を受けている。放射線管理区域というのは、そこに入ったら水を飲むことも食べ物を食べることも寝ることも、子どもを連れ込むこともできない場所なのです。皆さんが唯一接することがあるのは病院のレントゲンやCT室のみです。そこでは、妊娠している可能性のある人はかならず医者に言えという場所です。

チェルノブイリでは、こうした放射線管理区域に指定しなければならない、つまり無人にしなければならない汚染地は風下700kmの範囲まで広がった。面積は145千平方km。日本の面積は378千平方km、本州は24万平方km、つまり本州の約6割という面積を無人にしなければならない汚染が生じた。もちろんソ連もそんなことはできませんでしたから、今でもその地域に600万人もの人が住んでいます。

福島で私の恐れている最悪の事態になれば、風向きにもよるが、本州の何割かを放棄することになるでしょう。チェルノブイリは100kw、福島第一は1から4まで 合わせると300kw。福島ではひとつでも爆発すれば、発電所のサイトに人が残ることはできなくなる。作業が不可能になり、一つ逝ってしまったら他も次々逝くことになる。何とか、初めの一つを破局に到らせないことが絶対の条件であり、いま必死にそれをやっている訳です。

 【つづく】

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2.防災都市横浜への提案」カテゴリの記事

コメント

小出先生のインタビュー、見ましたが。ショックですcrying
なんか……希望がない。
海外の論調や対応が、過敏なのであって、実際にはそこまで危機的ではないと、報道されてきたし、信じても来たのですが。欧米諸国の言っていたことが正しい、ということになる。
希望がない……
どうすれば良いんでしょう?
祈るしかない?
福島だけ局地的に豪雨が降って冷やされるよう、雨乞いをする? 海に向かって風が吹くように、神風だのみ?
要旨は大変分かりやすかった。ありがとうございますhappy01

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